録画してあった先週分の「プロフェッショナル仕事の流儀」、まぐろ仲買人である藤田浩毅さんの回を観た。
特に印象に残ったのがこんなエピソード。市場に並んだまぐろは競りで値がつく訳だけど、やはり大間などブランド産地のものは人気で、高い値がつきやすい。一方、マイナーな産地のまぐろは、味が良くてもなかなか買い手がいない。藤田さんはそんなマイナー産地のまぐろの中から、本当に美味いものを見極めて買い付ける。買い手が少ないので、その気になれば安く買いたたくこともできる。しかし、藤田さんは違う。
第107回 (2009年1月20日放送) | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀藤田が仲買人にとって最も大切な仕事だと考えるのは、「良い魚にはそれに見合った値をつけること」。安く買いたたけば漁師たちの見入りは減り、それが長く続けば産地は疲弊してしまう。しかし仲買人が魚の価値を見極め、適正な値をつければ産地は守られ、結果として質の良い魚が安定的に客に届けられると信じているからだ。
普段、我々は「同じ品質の物やサービスなら、安ければ安いほど良い」と考えることがほとんど。そのため、企業は乾いた雑巾を絞るような努力を重ね、コスト削減につとめる。そうした努力の中からイノベーションが生まれたり、物やサービスが幅広く消費者に行き渡る結果になっていることは間違いないけど、昨今目にする世の中のゆがみの中には、この「安ければ安いほど良い」という消費者のマインドに端を発しているものも少なくない気がする。
ただ低価格を求めるだけじゃなくて、物やサービスの価値(価格ではなく)をきちんと知り、そしてそれが経済的に最も合理的じゃなかったとしても、意地を張って自分が適切と思える値段を払う。こういう姿勢が必要な場面も、時にはあるんだろうな。難しいことだけどね。