'73年の初版から改訂を続けて、現在第9版。永遠の名著です。そして、これを読んだ僕は、涙を流しながら塩漬け株を処分しました...。
日本経済新聞出版社
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この本が主張しているのは、「効率的市場理論は(基本的に)普遍の真理だ!」ということ。そして、「それゆえ、お前らは黙ってインデックス・ファンドを買っておけ!」ということです。
効率的市場理論というのは、市場は十分に効率的であり、仮に何らかのアービトラージ(儲けのタネ)があったとしても、それは市場の誰かに一瞬で奪い取られるため、市場で「何とかしてうまいこと儲けよう」ともくろむことは無意味!という理論です。
株のテクニックとしては、チャートの動きに注目したテクニカル分析や、企業の過去や将来の業績をもとに割安な株を探すファンダメンタル分析などがあります。そうした分析を元に儲けている人もいなくはないですが、現実には「長期的に市場平均に勝ち続けられるような理論は存在し得ない」というのが本書の主張です。仮にそうした分析から「確実に儲かる方法」が見つかったとしても、その方法が市場に十分知れ渡ってしまったら、そのアービトラージは瞬間的に価格に織り込まれてしまうからです。「明日値上がりすることが確実な株は、今日中に買われて今日中に値上がりしてしまう。」というわけ。実もふたもないけど、理にかなっていると思いませんか?つまり、誰も知らないインサイダー情報や、誰も使ってない分析テクニックでない限り、その材料はすでに現在の株価に反映されているはず、と言えるのです。
もちろん、筆者も効率的市場理論が完璧に実現しているとは思っていません。たとえば、かつてのインターネットバブルのように、市場はアービトラージを吸収するどころか、どんどん異常な価格帯に驀進させてしまいました。「これがバブルだ」ということはみんな気づいていたんでしょうが、「自分よりももっとバカなやつが後からやってきて、俺が買った株をもっと高い値段で買ってくれるはず」という根拠のない期待から、あのような異常な株高が発生したわけです。もちろん、バカの供給は無限ではないので、バブルは当然はじけたんですが...。このネットバブルの騒動や、これに関連した行動ファイナンス理論についても、今回の改訂で追記されています。本書では、こうした非合理が市場に存在することは確かだけれども、それは効率的市場理論の基本的な正しさを否定するものではないし、少なくともインデックスファンドがもっとも有効な投資手法であることに変わりはない、と主張します。
僕はギャンブルは好きではないし、あまり運用やその勉強に時間をかけたりしたくないし、ものすごい大もうけをしたいとは考えていません。少なくともそんな僕に対しては、この本が掲げる主張は正しいものだと思います。そしてこの本の考え方は、勝間和代さんの「お金は銀行に預けるな」と同じものです。素人は黙ってインデックスファンド!
また、この本の中では「ある一定額の利益による喜びよりも、同額の損失による痛みのほうを重視する」という人間の性向についても説明されていました。こうした性向により、人は損切りができなくなり、ナンピン買いをしてしまったりするわけです。そして、文中の「ホールドするということは、つまりその値段で買うのと同じことだ。」という言葉(あんま正確じゃないけど)を読んで、僕は目が覚めました!あんまり本書の主要なメッセージではないんですが。
いろいろ考えて分析した(つもりの)結果買った後で暴落し、そのまま塩漬けになっていた株を、今日成行で処分しました。結構な損失になりましがた、いいんです(涙)。毎日証券会社のサイトを見て、損失が増えたとか減った(もともと結構な損失なので、大して変わらないんですが)とか、そういうことに頭を悩まさなくていいんですから...。授業料だと思って。
考え方はいろいろだと思いますが、これだけ長い間読み続けられている本です。結構厚い本ですが、基本的な主張は前半部分だけを読めば十分です。資産運用に多少なりとも興味のある人は、読んでみるとよいのではないでしょうか。

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