企業向けシステムのアプリケーションの中でよく見られる「パターン」をまとめた、Martin Fowlerの名著です。だいぶ前に買ったあと、長らく会社の机の上に放置されていたんですが、何とか読み終えました。
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正直、ここで書かれているパターンは、ふつうにシステム開発の仕事をしている人であれば、何度も使った事があるものだったり、「ふーん、まあそういうやり方もあるだろうね」という感じのものだったりします。「なんと!そんな凄いやり方があったのか!」みたいなものは、たぶんありません。たとえば、DTO(Data Transfer Object)とか、Remote Facadeとか、Pessimistic Lockとか。名前を聞いてピンと来なくても、見れば「あ、それのことか」となるはず。
でも、パターンって言うのはそれでよいんです。ある程度の経験がある人が無意識的にやっていることを、名前をつけて整理して、みんなの共通言語にすることで、暗黙知が形式知になり、ベテランも自分の仕事が整理しやすくなるし、何より初心者にとって経験の中からしか学べなかったプロのやり方を学習することが容易になります。
英文法を完璧に理解して、単語をたくさん覚えても、それで自然な英語がしゃべれるわけではないのと同じように、基礎的な知識を身につけたあとは、それを「プロ(ネイティブ)はどういう風に使っているのか」を覚えることが、初心者にとっては大いに助けになるわけです。
コンピュータの世界にはパターンは色々あって、例えばGoFのデザインパターンなんかは凄く有名だけど、多くはプログラミングの世界におけるパターン。それに対し、この本が取り上げているのは、いわゆるSIの世界で作られる中~大規模システムの設計におけるパターンです。プログラミングの世界であれば、OSSのコードを読んだりする事で「プロのやり方」を学べるけど、中~大規模システムの設計って、自分が関わってるもの意外は目にする機会が少ないと思うので、こういうパターン本の意義は凄くあると思います。
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日本語訳も出ていますが、Amazonのレビューを読む限りでは、訳がいまいちみたい。


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