2008年1月アーカイブ

HDDレコーダに録画してあった、クローズアップ現代の「マネー」特集を観た。テーマはオイルマネーで潤った、ロシアや中東の政府系ファンド。

原油(などの自然資源や穀物など)の価格が上がっている理由は、よく言われる中国などの新興国による需要増以上に、政府系ファンドからじゃぶじゃぶとマーケットに注ぎ込まれるマネーによる過剰流動性だ、という話。

特別目新しい話じゃないんだけど、番組を観てしばらくしてから「あ、こういうことか」とふと気づいた。

原油価格高騰→産油国大もうけ→産油国の政府系ファンド投資拡大→過剰流動性→原油価格高騰→産油国大もうけ・・・

あれれ。

番組の中で榊原英資が言っていたのは、銀行はBIS規制とかであれだけガチガチなのに、ファンドに対する規制がほとんどないという話。

NHKの名アナウンサーで、数々の歴史的試合の実況を担当してきた山本浩さんが、今までに実況してきた試合を様々な名台詞とともに振り返った本。実況席のサッカー論に引き続き、読んでみました。

メキシコの青い空―実況席のサッカー20年
山本 浩
新潮社 (2007/08)
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本書は年代に沿って書かれていますが、一番最初の(つまり一番古い)ゲームは、1985年のW杯メキシコ大会の予選。

東京・千駄ヶ谷の国立競技場の曇り空の向こうに、メキシコの青い空が近づいているような気がします。

その時の日本代表のメンバーは、松木安太郎、加藤久、都並敏史、木村和司、与那城ジョージ、水沼貴史、原博実などといった顔ぶれ。これだけでも、山本さんのサッカー中継の歴史と日本サッカーの歴史がともに重ねてきた時間を感じます。

この本がすごく面白いのは、著者があくまで実況のプロとして、サッカーを「実況の対象」として捉えているところです。しゃべりの抑揚や声音の行程、長い文章と短い言葉の使い分け。解説者の話を上手く引き出したり、時には解説者の喋りすぎをコントロールしたり。著者はゲームの流れを見ながら、そして時にはゲームの流れを予想しながら、言葉のリズムを試合のリズムに合わせていきます。選手や戦術など「サッカーそのもの」にできるだけ近づこうとする一般のスポーツ記者の視点と、あくまで「サッカーの実況」のプロである筆者の視点は大きく異なります。しかし、だからこそ見えるサッカーの姿というものが間違いなくあり、それは確かにサッカーの本質を体現しています。アナウンサーが試合開始15分ぐらいになると解説者に「今のところ、今日のゲームの流れはどうなっていますか?」と聞くのは、サッカーでは試合開始15分のくらいでゲームが落ち着いてだいたいの流れが見えてくる、逆に言えば15分まではお互いの探り合いながらペースを探るような展開になることが多いということです。

そしてさらに面白いのは、そうしてあくまで実況のプロに徹しながらも、誰よりも長く近くから日本サッカーを観てきた著者のこと、誰よりも熱狂的なサッカーへの想いが、ときに実況にあふれ出すところです。初めてW杯出場を決めたジョホールバルのゲームの所なんかは、読んでいて胸が熱くなりました。

サッカーの歴史を振り返るとともに、サッカーへの理解とサッカー「中継」への理解が深まる、とても面白い本です。

ジミー・ペイジがエリカ様を激励

日本からERIKAの名前で歌手デビューした女優沢尻エリカ(21)が「音楽の影響を受けたのはツェッペリンただ1組」と公言し、恋人の高城剛さん(42)と現地で同ライブを観賞した。

エリカ様が…。まるでお塩先生。

asahi.com:浦和・小野、ドイツ1部ボーフムへ移籍決まる - スポーツ

超がんばれ!

MORI LOG ACADEMY: 形に残る仕事

「ローマ人の物語」でも、ローマ人がインフラ整備の重要性を認識してたという話が出てた。LOHASという言葉が流行って久しいけど、エコな建築はあれど、サステイナブルな建築という話はあまり聞かない気がします。エコは商売になるけど、サステイナブルは儲けにならないからかな。

ZAKZAK 10年ぶり改訂…「広辞苑」【キャバクラ】落選のワケ

「キャバクラ」が載るかどうかはどうでもいいんだけど、ようする広辞苑っていうのは、ある一定の人種の社会に存在している言葉だけで作られてるってことなのね。

MITメディアラボ教授として有名で、以前「プロフェッショナル仕事の流儀」にも出演されていた、石井裕先生がMacPeopleに書いた(らしい)コラム。

テレビの未来

「私の家にはテレビがない」という一文から始まるこのコラムの要旨は、テレビは有用な情報のS/N比(実のあるコンテンツとくだらないノイズの比)が低いから、オンデマンドに必要な情報だけを収集できるインターネットに比べてどうなのよ?というもの。この手の話は、昨今アルファブロガー的な人たちにも見られるものだし、LifeHacksというかネット系成功術においても見られるものです。

テレビにはくだらない番組をだらだら見てしまいがちだという問題があるのは確か。でも、インターネットでも同じじゃないですか?ソーシャルブックマークや掲示板をだらだら見てるのって、テレビを流しっぱなしにしてるのと全く同じ状態だと思う。むしろ、テレビはHDDレコーダーの中レコーダーのおかげで、S/N比は劇的に高まってます。少なくとも僕の場合は。

それにそもそもテレビもインターネットも、自分の興味のあるもの、自分が「情報収集したい」という明確な意志がある分野の情報だけ集めているのが一番いいかというと、僕は違う気がします。他の人がどんなことに興味をもっているかも知りたいし、世の中全体の流行や動きも知りたい。そういう意味では、自分の意志と関係なく最大公約数的な情報を垂れ流してくれるテレビというメディアは、それはそれで有用なものだと思います。もちろん、使い方を間違えなければ、ですけど。ソーシャルブックマークも同じですね。

石井先生みたいに、自分の頭の中でいろんな刺激を生み出せる一流の研究者は違うかもしれませんけど、僕みたいな一般凡人は、能動的な情報収集と受動的な情報収集をバランス良く、お互いにフィードバックを効かせながらしていくのが大事なことなんじゃないかなーと思います。

あと蛇足ですけど、僕はテレビもインターネットも小説もマンガも雑誌も、S/N比はそんなに変わらないんじゃないかという気がします。

ローマ人です。まだ読んでます。

絶好調だったローマ帝国にも、そろそろ翳りが。悲しいのは、平和な世の中は人を油断させ、避けがたく戦乱に向かわせるものだということを、ことごとく歴史が証明しているということです。いやあ、ホント歴史は勉強になるよ。2,000年前といっても、人間は何一つ変わってないんだなーと、つくづく感じます。

ローマ人の物語 29 (29) (新潮文庫 し 12-79)
塩野 七生
新潮社 (2007/08)
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ローマ人の物語 30 (30) (新潮文庫 し 12-80)
塩野 七生
新潮社 (2007/08)
売り上げランキング: 2069


ローマ人の物語 31 (31) (新潮文庫 し 12-81)
塩野 七生
新潮社 (2007/08)
売り上げランキング: 2067

それにしても、こつこつ読んでる「ローマ人」もいよいよ30巻突破。感慨深い。たぶん、最後まで行くと45巻くらいになるのかな。

最初の5巻くらいはやせ我慢で読んでいて、8巻からのユリウス・カエサルあたりで盛り上がり、20巻あたりは相当厳しかったけどなんとか乗り切って、30巻を突破した今、素直に相当面白いです!

よく言われてますけど、「ローマ人、ちょっと読んでみようかな」と思ってる人は、無理に1巻から読み始めるよりも、ユリウス・カエサルのところから読むのがよいと思います。歴史は無理に最初から追いかけないと行けないものでもないし、なんと言っても著者がユリウス・カエサル大好きすぎて、明らかに気合いの入りようが違うのです。

ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)ローマ人の物語8 (新潮文庫)

このへんですね。

これやばくないですか?どこからどう見ても完璧なんですけど…。

MacBook Airキラー登場? 「Lenovo Thinkpad X300」 : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)

ディスク容量が小さい?NASがあればへーきへーき。

あとは値段か…。

名著ウケる技術の著者、ミズノンノこと水野敬也氏による、自己啓発本。

夢をかなえるゾウ
夢をかなえるゾウ
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水野敬也
飛鳥新社 (2007/08/11)
売り上げランキング: 8
おすすめ度の平均: 4.5
5 こんな神様がいたら楽しい毎日♪
5 「もくじ」がない本です
4 楽しいサクセス本

ある日、「成功したい!」という気持ちだけはありながらも、冴えない暮らしをなんとなく送っているサラリーマンのもとに、関西弁を喋る怪しいゾウの神様「ガネーシャ」が現れ、成功へ向けての課題を次々と出していく…、という話。小説仕立てな上に、ミズノンノの真骨頂というべきくだらないギャグが満載なので、気軽に読めます。

ガネーシャが主人公に、成功するために必要なアドバイスを次々としていくのですが、ガネーシャ自身も言っているとおり、それらのアドバイスの多くはいろんな成功本に書かれていることなんですよね。でもそういう本って、みんな(この本の主人公も)読んだときは「これで俺も変われる!」なんて興奮したりするけど、やっぱり次の朝にはいつも通りの生活が待っていたりして、結局何もかわらないまま…なんていう人がほとんどなんじゃないかと思います。

この本は、そうした、今まで成功本を読んで頑張ろうと思いつつもなんとなくズルズルここまできちゃった人に向けての本です。いわば、庶民向け成功本。

ダメサラリーマンな主人公も、ゾウの神様ガネーシャも、とても愛すべきキャラクターで、親近感が持てます。登場人物に親近感が持てる成功本って、あんまりないですよね。そういう意味で、今までの「立派な」成功本が肌に合わなかった人にもお勧めな本です。あまり気合い入れて構えず、気軽に読むのがよいかと。

備忘録。スーパーオートバックス東雲で、エンジンオイルとフィルターを交換。フィルターはBOSHのOF-PEU-2、オイルは100%化学合成なelfのReserve(レゼルブ)10W40。

オイルが\5,880、フィルターが\1,575、オイル会員入会費が\1,050(会員になったので工賃無料)、合計\8,505でした。

とりあえず読んでみました。

ホームレス中学生
ホームレス中学生
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麒麟・田村裕
ワニブックス (2007/08/31)
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実際の所、公園で寝泊まりしたり、段ボールを食べたりなど、彼がテレビでよく話してるような「ホームレスネタ」は、この本のほんの一部。ほとんどは、貧乏暮らしの中で彼ら兄弟を支えてくれた周囲の人々や、子供の頃に亡くなった母親、そして(有名な「解散!」という台詞を言った)父親に対する感謝の気持ちについて書いた言葉です。

もちろん、プロの文筆家ではないお笑い芸人が初めて書いた本なので、名作文学という訳では決してありません。読みにくい箇所や、「いい話なんだから、もうちょっと上手に書いてくれれば…」という所も、いくつかありました。でも、読み終わった後でも心の中に残るものは、確実にあります。常に亡くなった母親への気持ちを胸に生きている姿や、実質的に自分たち兄弟を「捨てた」父親について「全く恨んでいない」「親孝行したいから帰ってきて欲しい(実際再会されたそうですね)」という著者の言葉には、僕自身にも間違いなく影響を及ぼしてくれました。そういう意味で、読んで損はない本だと思います。

今日教わった表現。思わず口をつきそうになる一言を、ぐっと飲み込むこと。下記サイトだと、3番目の意味ですね。

“catch oneself”の検索結果(3 件):英辞郎 on the Web:スペースアルク

今日も人の言葉にdefensiveに反応して(←これがもうだめ)、言う必要のないことを何度か言ってしまった。反省。今年の課題にしよう。

観ました!セリエA第18節、ACミラン対ナポリ@サン・シーロ。全世界が期待しているブラジル人FW、アレシャンドレ・パトのデビュー戦です。

結果は、5-2でミランの圧勝!パトがいきなりのデビューゴールを決めたのに加え、パト効果でカカ、ロナウドのブラジル攻撃陣が活性化、ロナウドも2点を取って元祖怪物くんの面目躍如でした。

スポーツナビ|サンシーロでブラジル人ショー、パトもゴール
スポーツナビ|ミラン、サンシーロの呪縛を断ち切る
スポーツナビ|ミランのパト「ゴールは家族にささげる」
スポーツナビ|ミランのロナウド「パトは見事だった、10点満点を付けたい」

以前からミランは大好きなので、セリエAのゲームもミラン中心に観ているんですが、正直言って今年のミランの試合は決して観ていて面白いものではありませんでした。中盤でボールはキープできるんですが、前の方にボールを持って行ってもフィニッシュまでのアイデアが無いんですよね。結局、カカの突破頼みとなってしまっていました。

ところが昨日の試合、スピードのあるパトが加わった上、ロナウドもスタメンで登場。カカも加わって、高速ワンツーなどのイマジネーションあふれるプレーがたくさん観られました。これはいいです。このミランは、強くて面白いです!

あえて心配を挙げるとすると、これはスカパー!解説の川勝さんも言っていたのですが、ミランのブラジル攻撃軍団はあの3人だけでチャンスを作れてしまうので、もしかしたら自己中心的で自己満足的なプレーに走ってしまう可能性がある、ということです。そうすると、セードルフやピルロからの組み立てが減ったり、他の選手たちのチーム全体に貢献しようというメンタリティが失われてしったりするおそれがあります。以前、スペインの某ギャラクティコが通った道ですね。あと、パト&カカが、ドリブルで局面を作れる二人と似たタイプ(要するにブラジル系)のロナウドではなく、ワンタッチで勝負を決めるタイプのジラやインザーギと組んだとき、どういう形を作れるのかは、まだ未知数です。

でも、スペインのチームと比べると、イタリアのチーム、特にミランは規律がキッチリしてそうだし、カカはそのへんしっかりしてそうなので、心配ないかもしれませんね。パトはほんと、あれだけのプレッシャーの中でのびのびとプレーして、しかも結果もキッチリ残したことからも、間違いなく本物と言えるでしょう。今シーズン前半のミランはちょっと残念な結果しか残せませんでしたが、後半は期待ができます!楽しみ。

なかなか給料が上がらないとは言いいながらも、この数年で多少は毎月会社から貰う金額が増えました。ありがたいことです。なので、UNICEFのマンスリー・サポート(クレジットカードからの月額定期募金)の金額をちょびっとだけ増やしました。

このマンスリー・サポートは、月額1,000円とか2,000円から始められます。お金が余ってるという人はそんなにいないと思いますけど、1ヶ月に1,000円や2,000円寄付しても、それで即生活レベルを下げたり、何かを我慢したりしなければいけない、というわけではない人も少なくないと思います。僕らにとっては致命的とは言えない金額でも、アフリカでは致命的な(文字通りの意味で)働きをしてくれたりもするみたいです。

興味のある人は考えてみてください。

日本ユニセフ協会・協力する方法 > 募金の送り方

マーチン・ファウラー先生によるUML解説の超有名本。

UML モデリングのエッセンス 第3版 (Object Oriented SELECTION)
マーチン・ファウラー 羽生田 栄一
翔泳社 (2005/06/16)
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他のファウラー本ほど分厚くもなく、内容も初心者向けです。UMLの記法の説明だけでなく、ファウラー先生の考え方をベースに、特に重要な記法、標準ではないが有用な記法、逆に標準だがあまり重要ではない記法など、実際に利用するためのガイドラインとなるような情報が詰まっています。

ただ、帯にも「最高のUML記法入門書だ」とあるのですが、全くのUML初心者がまず最初にこの本を手にとって勉強しようと思うと、それは少し難しいかもしれません。どちらかというと、ある程度UMLの記法について知っている人が、その知識を再整理するために読むとよい本、だと思います。

また、文章がとても固く、読みづらいのも気になります。原文を読んでいないので何とも言えませんが、全体的に英語の直訳のような文章が多いので、これは訳の問題なのではないかと思います。小説の翻訳であれば、原文の持つ細かい表現や語彙の選択などに十分注意を払う必要があると思うのですが、技術書の場合はあまりそこに神経質になるよりも、より読みやすく自然な日本語に訳した方がよいと、個人的には思うのです。どうしても著者の正確な表現を知りたければ、原本を読めばいいのだし。

なお、この本のタイトルは「UMLモデリングのエッセンス」ですが、モデリングというよりはそのほとんどは記法の説明です。モデリングの考え方について学びたい人には、下記の本がおすすめです。

とりとめもなく日記的雑記: UMLモデリングの本質

asahi.com:ジョージ・ウェア氏、福島県3部チームの総監督に - スポーツ

トルシエのFC琉球の30倍くらいすごい…。

asahi.com:スペイン挑戦は困難と中村俊 UEFAインタビューで - スポーツ

スペインでやるつもりはもうないのか…。このまましばらくスコットランドで、その後はJリーグなのかな。

一応大本も当たってみた。

uefa.com - Magazine

"If I was in my early or mid-20s, I could go and play in other countries. But, because I'm 29, it might not be so easy to get that kind of move. In any case, it's not as if I'm desperate to play there."

「とりあえず、『どうしてもそこでプレーしたい』っていうわけじゃない」てことらしい。

ナショナリズムについての古典「想像の共同体」の著者、ベネディクト・アンダーソンについての本。前半は、ベネディクト・アンダーソンが日本で行った講演の記録。後半は、日本人の著者による「想像の共同体」および本講演の解説。

ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る
梅森 直之
光文社 (2007/05/17)
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この本を知ったのは、梅田望夫さんのブログ(ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る - My Life Between Silicon Valley and Japan)から。

不勉強な僕は、ベネディクト・アンダーソンさんも「想像の共同体」も知らなかったのですが、彼の考える「ナショナリズム」がどんなものかは、何となく理解できました。

我々は日本という国(ネーション)に住み日本語を話す日本人だという意識があるけど、そもそも日本という国(ネーション)とは何か、「日本語」という言葉は何を指すのか(標準語?方言は?)、そして日本人とはそもそも何なのか?など、よく考えるとそのあたりは非常に曖昧です。彼の主張は、我々の「日本人性」はもともと存在していたもの(本質主義)ではなく、様々な要因によって「創られた」もの(構築主義)だと捉えるものです。そして、文化というものを、動物と比べて本能によりコントロールされる余地が格段に大きい(というか大きすぎる)人間の行動を制限する装置と捉えるくだりは、「なるほどなー」と感じさせられました。

それにしても最近新書読み過ぎだなぁ。昨今の新書ブームで何となく手に取っちゃうのに加え、読みやすいし、手軽に新しい知識を得てなんとなく賢くなった気がしちゃうんだけど、やっぱり新書って良くも悪くも上っ面だし。しばらく新書は控えよう。

天文学の計算をするために、コンピュータの専門家ではなかった著者たちが取り組んだ、手作りスパコン開発のドキュメンタリー。

スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書 395G)
伊藤 智義
集英社 (2007/06)
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今の感覚で「スパコンを創る」というと、つい「たくさんのパソコンを高速ネットワークで接続して…」というイメージを持ってしまうのですが、この本に出てくるスパコン(の1号機)が開発されたのは1989年のこと。回路図を書いて、基盤にICを並べていく世界です。

著者自身がこのスパコンの開発の中心メンバー(の一人)なのですが、本文中では自分のことも登場人物の一人として三人称で記述しています。そういう所も含め、「研究者でプロの文筆家ではないはずなのに、文章が上手な人だな」と思ったら、なんとこの人、マンガ「栄光なき天才たち」の原作を書いた方とのこと。しかもあの原作は、東大在学中に書かれたものだそうです。へー。

何もないところから、登場人物の努力と工夫を通じて、手作りのスパコンがじわじわと姿を表す過程が、鮮明に描かれています。なかなか面白い本でした。本を読むのが速い人なら、1時間くらいでさっと読めちゃうかも。

ちなみに僕の父親も回路いじりが得意な人で、20年くらい前、当時雑誌に公開されていたNECのパソコンPC-8001の回路図を読んで、自分で買い集めたパーツで互換機をくみ上げていました。パーツって言うのは、グラフィックカードとかハードディスクとかではなく、ICとかコンデンサとか。そういったものを基盤にハンダ付けしていくわけです。本格的にコンピュータに触れたのがWindows95以降な僕にとっては、こういうふうに「回路を組む」ことができる人というのは、素直にすごいなーと思ってしまいます。

恐怖のシンクロニシティ (内田樹の研究室)

 いうまでもないが、本来、場の空気を読むというのはひじょうに重要なことである。空気の読めない人は「困ったもん」である。
 だが、その「空気」の中身がひじょうに下らないものだとしたら? 先に挙げたゲームのように、下らない中身によって、たんに侵入者を排除しようとしているだけだとしたら?

ゲームと知性 (内田樹の研究室)

学校はメンバーが固定されており、ふるまいに斉一性がある。
そのせいで、学校の生徒たちは自分たちの集団に「外部」があるということをふだんは意識させられない。
ごくトリヴィアルな集団内部的差異(成績がどうであるとか、スカートの丈がどうであるとか)に対して過剰にコンシャスであるせいで、「自分たちがそこに決定的な差異があると思っている以外のところで差異づけがなされている」という可能性を吟味する能力が損なわれているのである。

とりあえず、日本の子供たち(かつての自分も含めて)には、「学校なんていうのは世界のほんの一部。学校の外にも面白い世界が無数に広がっている。」ということと、「人からの評価ではなく、自分の中の基準で楽しんだり頑張ったりできる面白いものが、世の中にはたくさんある。」ということを、ぜひ知って欲しいと思います。

根拠レスな単なるイメージだけど、アメリカの子供たちは(もちろん大人も)このあたりのことをしっかりと意識していそう。ヨーロッパの場合はどうなんだろう。

今、アメリカのみならず世界経済全体を揺るがしているサブプライム問題について、その全体像をわかりやすく説明した本。

サブプライムローンとはどんな仕組みのローンなのか、どういう社会的・経済的背景からサブプライムローンが生まれ、加熱していったのか、サブプライムローンの何が問題なのか、アメリカ人はなぜ住宅バブルに浮かれてしまったのか、なぜサブプライム問題が世界経済にこれほど深刻な影響を与えているのか、サブプライム問題により今後世界経済はどうなるのか、などなど、まさにサブプライ問題に関するありとあらゆる話題がカバーされています。

旧共産主義国の自由経済市場への参加と、インドや中国の台頭が、サブプライローンの加熱につながっていくあたりの説明は、読んでいて「なるほど!」と思わされました。

「証券化ってなに?」っていうあたりからわかりやすく説明してあるので、あまり経済・金融の知識が無い人でも安心です。また普段テレビや新聞でサブプライム問題のニュースを目にしている人にも、その全体像を俯瞰的に理解できるという意味で、読む価値はあると思います。良い本です。

サッカー解説者兼コーチ、湯浅健二さんの本。テーマは、攻守ともにますます高度に組織的な戦略が必要となっている現代サッカーにおける、選手一人一人のマインド、メンタル、心構えの重要さについて。タイトルになっている「日本人はなぜシュートを打たないのか」についても触れられていますが、それだけがメインテーマというわけではありません。疑問文なタイトルは、最近の新書にありがちな「釣り」ですかねえ。「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」みたいな。

日本人はなぜシュートを打たないのか? (アスキー新書 18)
湯浅 健二
アスキー (2007/07/10)
売り上げランキング: 2755

攻撃でいうとフリースペースへの走り込み、守備で言えば素早いプレッシングなど、今のサッカーでは今まで以上に走ることが求められています。そしてそこでは、ただ走るだけではなく、相手ディフェンスを引きつけるための、または相手のパスコースを限定するためなどの「無駄走り」も要求されます。

システマティックな現代サッカーのスタイルを考えれば、その中での「チームのために汗をかいて走ることの必要性」は、観戦者としてピッチ全体を俯瞰する視点からは当然のことに見えるのですが、選手一人一人がそれを実践するためには、かなり強いモチベーションが必要となります。それが無駄に終わったり他人に花を持たせたりする結果になることを知りながら、疲れた身体にむち打って走らないといけないわけですから。システマティックなサッカーを無機質で面白みに欠けたものだとみなす向きもありますが、実はサッカーがどんどんシステマティックになっていけばいくほど、より強いハートが求められるということなのです。

そのうえ、得てして才能ある選手というのは、チームのために汗をかくよりも、チームが自分に合わせることを求めがちなものですが、現代のサッカーにおいては、どんな選手であっても(本書にもあるとおり「マラドーナ」でない限りは)攻守の両方に渡る貢献を要求されます。そこで、監督の仕事のひとつとして、選手の心理マネジメントが大きなウェイトを占めることになります。

この本では、著者のドイツアマチュアチーム所属時代のエピソードや、読売クラブのコーチ時代の話をベースに、組織サッカーにおけるメンタルの重要性をわかりやすく解説しています。そこで語れていることは、本書の中でも頻繁に触れられているとおり、オシム前日本代表監督が言っていた「考えて走る」にも通じるものです。

Amazonのレビューなどを見ると、著者のホームページ(湯浅健二のサッカーホームページ)を読んでいる人には目新しくない内容かもしれませんが、僕は初めてだったのでとても興味深く読むことができました。

サッカー観戦のときの視点がまた一つ広がりました。良書です。

女性にとっての「モテたいという気持ち」や「モテるということ」、現代の女性に求められるスペック、女性が追求する価値観などについて、女性ファッション雑誌の分析をベースに著者の経験に基づく分析を加えて論じた本。

モテたい理由 (講談社現代新書 1921)
赤坂 真理
講談社 (2007/12/19)
売り上げランキング: 455
おすすめ度の平均: 4.5
5 女性著者による日本初の男女論
4 乾いた笑い

ファッション雑誌が提案する女性のファッションが、かつては女性自身のためのものだったのが、現代では「愛され○○」とか「モテ○○」のような「男性からどう見えるか?」を重視したものに変わりつつあるのは、電車の中吊り広告を見ているだけでも感じられます。

さらにこの本を読んで、もはやファッション雑誌がファッションを語る雑誌ではなく、ファッションを通していかに男にモテて、どのような人生を設計していくかについて語るものになっているということがよくわかりました。「エビちゃんシアター」に代表される妄想の世界、そしてその妄想の「ズレ」っぷり…。そのズレっぷりから、「モテ」を追求する女性たちが忌み嫌うオタク男子との「近親憎悪」についての論を展開するあたりは、なるほど!と思わされます。

著者の語り口もサバサバと切れ味鋭く、ファッション雑誌を通じて表現されている女性のあれこれについて、よーく理解できました。

でも、ところどころ(とくに冒頭と最後)戦争論とかアメリカ論とか著者自身の人生論に話が飛ぶのには閉口しました。まあ著者はどうしても書きたかったんでしょうけど、読んでいる側としては、主テーマと著者の「語り」の関連にイマイチ必然性が感じられず、ちょっと困惑。あと、もともとこの本は404 Blog Not Foundの書評で知ったのですが、この書評にあるような「男女論の最高峰」っていうとらえ方や引用されている箇所など、自分の着眼点とはだいぶ違うなーと感じました。404 Blog Not Foundで紹介されている本は、面白い本もすごーくたくさんあるんだけど、どう考えても普通な本としか(僕には)思えない本が大絶賛されてたりすることもあるので、ホントの絶賛とセールストークの見極めは必要だと最近痛感してます。弾さんも「アフィリエイトは副業」とおっしゃってますし。

まあ、その辺を差し引いても、とても読み応えのある本でした。さくっと読めますし。

年末年始を名古屋・実家で過ごし、たった今東京の家に戻ってきました。実家では飲み食いしながらダラダラ、名古屋では昔からの友人とグダグダ、と楽しい時間を過ごしました。そして東京駅で新幹線を降りて、駅の改札でSuicaを「ピッ」とやった瞬間、「戻ってきた!」と実感しました。故郷はとてもいいものですが、今の俺の戦場はこの東京だ!ということです。今年も頑張ろう。

さて、2008年の目標。

・日本の名作文学を読む

国語の教科書に出てくるような日本の名作文学、読んだことがないものがとても多いのです。これではいかん!日本人として!ということで、「今年中にこれを読むぞ」というものを30冊ほどピックアップしました。こいつを年内に片付けます。

・食生活を改善する

"You are what you eat."を胸に、食生活を改善したいと思います。結果として、減量にもつながればいいかな。

・身体を柔らかくする

固すぎる、身体が。そのうちケガする。ちゃんと毎日湯船につかって(今はシャワーのみ)、ストレッチを習慣化しようと思います。

・英語をモノにする

ペーパーバックが普通に読める。映画が普通に見れる。仕事で普通に使える。…ようになりたい。というか、もうそろそろいい加減そうならないと。

ほかにも、仕事面やパーソナルな面など、色々目標はあるのですが、まあそれはそれということで。

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