絶対音感の最相葉月さんによる、東京大学の応援部についてのドキュメンタリー。
新潮社 (2007/10)
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ストイック
頑張れ東大応援部
応援とは何か!僕が通っていた大学は、地方ですが古い国立の大学だったので、やはり応援団がいました。いつも学ランやスーツを着て、大声で挨拶をして、居酒屋ではバカみたいに酔っぱらって暴れている変人集団というのが、応援団に対する一般のイメージでした。
この本を読んでみたところ、東京にはいろんな大学が密集していて学校間の対抗心があるせいか、六大学野球をはじめスポーツが盛んなせいか、東京の大学の応援団は、僕が知っている応援団以上に「応援団」な感じのようです。
応援している野球部が負けた理由を「気合いが足りないからだ」と言って(応援団の)先輩が(応援団の)後輩を殴り、夏合宿では拳立(拳で腕立て伏せ)やマラソンでボロボロになり、部の用事のために授業にもほとんど出れず、周りには変人扱いされ、それでもなぜ応援部なのか?なぜ応援するのか?を、この本では問うています。
特に東大応援部は、ふつうの大学の応援団以上の矛盾を抱えています。1つは、「何で東大に入ってまでそんなことしてるの?」という周囲の目。本の中には、通りがかりの若者に「勉強しすぎて頭おかしくなったんじゃないの?」と言われているシーンもありました。もう1つは、東大の運動部が致命的に弱いということ。特に運動部の中でも花形の野球部は、東京六大学野球のなかでも圧倒的な弱さを誇っています。つまり、どれだけ応援しても勝利というかたちで報われることがほとんど無いのです。
この本では、そんな矛盾を抱えた応援部が「なぜ応援するのか?」を自らに問いながら応援を続ける中で、自分なりの答えを探していく姿を追いかけています。
そして、東大応援部の中では、先輩による体罰をはじめとする、理不尽なほど厳密な上下関係が「あり」とされています。実際は、体罰はその代ごとの主将の考えにより異なるようですが。
相手にケガをさせたり、対面をつぶすようなものは言語道断であるが、双方承知の上、指導として意味のあるものであり、しかも、頭を冷静に保ちながらの体罰であれば、必ずしも否定できないのではないかと。
最近、某県知事が「若者に強制的に規律を学ばせるため、徴兵制を復活させるべき」なんてことを言っていたりしました。いろんな意味でどんどん「楽」になる社会において、若者はもっと理不尽な規律にさらされる機会を持つことで、それに耐えることを学ぶべきだという考え方を持つ人は、少なくないようです。
僕個人としては、確かに世の中には理不尽があふれていて、それに耐えることを学ぶことは必要だとは思いますが、それを理由に「これも勉強だ」と言って理不尽を押しつけるような考え方は、間違っているのではないかと思います。世の中にあふれる理不尽は、そういうタイプの人たちが生み出しているものだとも思います。
ただその一方で、この本の中で応援部の学生たちが浸っている陶酔感には、大いに共感してしまうのも確かです。「絶対に自分はこんな世界には入りたくない」と思う一方で、特に本書のラストである野球部の最終戦の場面、鬼気迫る応援部の応援姿には大いに引き込まれてしまいました。
オビの宣伝文句やAmazonのレビューなどから、なんとなく「不器用な若者の感動青春物語」を期待していたのですが、遙かに重いテーマを投げかけている本でした。

「夜は短し歩けよ乙女(森見 登美彦 )」読んでみて。同じ大学生モノですが、もっと軽く楽しめます。特に今の季節に読むのがおすすめ。連載中から「これ、大井さんに勧めたい」と思っていた小説です。おすすめ!
ワニさん、こんばんは。お返事遅れてすみません。コメント通知メールが迷惑メールに放り込まれてて…。
その本、本屋さんで見かけた気がします。おすすめですかー。早速図書館で予約しておきまーす。読んだら感想書きますね。