カズオ・イシグロの代表作。
Never Let Me Go
posted with amazlet on 07.06.17
Kazuo Ishiguro
Faber and Faber (2006/03/02)
売り上げランキング: 6880
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普遍的なテーマと今日的なテーマ
回想としてのSF
え? でもやっぱりイシグロ。僕がカズオ・イシグロの本を読むのは、この本が初めてです。この本については、あらすじなどの前提知識をまったく持たずに読み始めたのですが、どうやらそれはとても正しいことだったようです。理由を説明せずにお勧めしても説得力は無いでしょうが、とても優れた小説であることは僕が保証しますので、ぜひとも何の事前知識も持たずに読み始めてもらえればと思います。
ただ、英語で読む方向けにひとつだけ。最初のページから職業としての「carer」や行為としての「donation」という言葉が出てきます。辞書的な意味はもちろんわかるんですが、具体的にどんな職業や行為なのかがはっきり説明されておらず、ちょっと困惑しました。「これが理解できないと、本の内容が全然理解できないんじゃないか、と」。ただそれは僕の英語やイギリス文化の知識の問題ではなく、ストーリーの中で次第に明らかになっていくことでした。なので、そこは心配せずに進んでください。それ以外は、専門用語も少なく、比較的読みやすい英語だと思います。
もちろん邦訳(わたしを離さないで)も出ています。
著者のカズオ・イシグロ(石黒一雄)は日本で生まれ、5歳のときにイギリスに移住しました。日本語はほとんど話せないそうです。それでも、物語を満たす静謐な空気や、とても繊細な感情の描写などから、僕はなんとなく「日本人ならでは」なものを感じました。
他の彼の作品も、いくつか読んでみようと思います。

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