世間は新書ブームですが、僕も思いっきり影響を受けて、最近たくさんの新書を買い込んでいます。これは、お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方を書いた橘玲の本で、有名なライブドアやカシオの事件や、アルカイダなどの国際テロ組織やバチカンによる大規模な事例の解説を通して、マネーロンダリングの手口と国際金融システムの隙間について、わかりやすく説明されています。
この手の「複雑な資金の流れ」の話は、特にライブドア事件以来テレビでもよく語られたりしますが、僕はどうもこの手の話を理解するのが苦手です。それはきっと、本書やニュースなどの解説では事件の全体像が俯瞰的に示されていて、当事者の視点で見たときに「どこに死角があって、どの部分の取引が見えないのか」がわかりづらいからではないかと思います。て言うか、こういった構造を頭の中で描く機能が、僕の頭はヘボいんだろうなー。
この本で一番興味深く読んだのが、コルレス銀行・コルレス口座の話。我々が日本の銀行でドル預金をする場合、その日本の銀行が実際にドルを預かっているわけではなく、日本の銀行が海外のコルレス銀行(コレスポンデント銀行、米国の場合JPモルガンチェース、バンカーストラスト、ドイチェバンク)に持っているコルレス口座にドルが入金されるのだそうです。アメリカが北朝鮮に対する金融制裁として、マカオのバンコ・デルタ・アジアにある北朝鮮の預金を凍結できたのは、実際には米国内のコルレス銀行にあるバンコ・デルタ・アジアコルレス口座を凍結したから。コルレス口座はもともと治外法権だったのですが、9・11後の愛国者法によって可能になったのそうです。ただこの「コルレス口座の凍結」はドルの自由な通貨としての信用を揺るがすことでもあるわけで、アメリカにとっては諸刃の剣。ブラックな資金のみならず、世界中の中央銀行が持つドル建ての外貨準備約400兆円も実際にはすべてニューヨークのコルレス銀行に預けられているわけで、テロとの戦いと国際通貨としてのドルの立場とを、上手くバランスとってコントロールしていかなくてはならないようです。

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