あのような形で戦争に向かって突き進み、あのような戦争を戦ってしまった日本という国を、特に当時の国内の政治や軍部の事情について語っていくことで明らかにしようという本。個人的な終戦記念日企画として読んでみた。
新潮社 (2005/07)
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「自虐史観」でもなく、「新しい歴史教科書」系でもない、冷静な視点で日本にとっての第二次世界大戦をまとめた本を読みたいと思っていたのだが、この本は最適だった(余談だけど、「大人のための歴史教科書」という副題は、昨今のヒステリックというか幼稚な議論の風潮に対する皮肉なのではないのかとも思う)。開戦から終戦までの歴史がポイントを絞ってまとめられており、僕のような歴史素人でもよく理解できた。
それにしても、多くの若者(子供といってもいいくらいだ)が爆弾を抱えて片道の燃料でアメリカの艦隊に突撃して行ったこと、そしてそういったことがこの日本という「国」によって(一部の狂信的テロ集団などではなく)行われていたことについて、いまさらながら強い衝撃を覚える。そして、それははるか昔のことではなく、たった60年前、僕らの祖父母の世代の日本人の話なのだということについても。
たった60年で、日本人が「あのような狂気に巻き込まれることは今後絶対無いくらいに賢くなった」と言い切れるだろうか。イラクでの自爆テロのニュースを見ても、恐ろしいとは思いながらも正直他人事のように感じてしまう部分があるのだが、きっと他人事ではない。当時の日本は、もっと禍々しい空気が国全体に充満していたわけだし、(くどいけど)それはたった60年前のことなのだから。
心の問題でも外交問題でもなくて、現在進行形の問題として捉えなくてはいけないことが、きっとたくさんあると思う。

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