ITバブル崩壊後のIT投資減退を加速させた一因とも言われる、いわくつきの一冊。原題の「IT DOES NOT MATTER」や、そのベースとなった論文「Does IT Matter?」のほうが有名かもしれません。
ITにお金を使うのは、もうおやめなさい ハーバード・ビジネススクール・プレス
posted with amazlet on 06.06.11
ニコラス・G・カー 清川 幸美
ランダムハウス講談社 (2005/04/07)
売り上げランキング: 5,114
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この本の主張は、『ITは電気や鉄道のようにコモディティとなり、企業にとって戦略的な投資対象とはもはやなりえない。ITに湯水のように金をつぎ込むのはやめるべき。』という一点です。
で、この本に対する(ITでメシを食っているので若干必死な僕の意見は、
- 本書では、製品・技術としてのITと、ITを利用した経営・業務とが混同されている。
- 本書では、インフラ的IT(e-mailなど)と戦略的ITとが混同されている。
- 本書では、「投資」と「過剰投資」が混同されている。
- IT投資に限らず、真に差別化をなしえる戦略的な投資に正解が無いことは自明である。
といったところです。
また、本書の中には「インターネットは地球規模のデジタル神経系であると言われたが、結局企業のありようは全く変わっていない」という記述もありましたが、これは単に企業がインターネットで起きている変革から取り残されているだけ、と言う側面もあるのではないかと思います。
当然の結論ではありますが、非戦略的IT投資を効率よく行いつつ戦略的IT投資で差別化をなしえた企業のみが成功するのでしょう。あと、非戦略的ITシステムを低コストで提供できるITベンダーと、真に差別化をなしえる戦略的投資システムを提供できるITベンダーも、ですね。

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