日経システム構築10月号の「システム障害を越えて」という特集で、テスト不足を原因とするトラブルが頻発しているという話があり、それに対しNRIでは「テスト時間が足りないことへの対策」として「上流工程の遅れを防いでテスト工程を圧迫させない」ことが有効だと考え、上流工程の品質を上げるような工夫をしているんだそうです。
なんというか…。
「上流工程が遅れたからテスト期間を削る」という発想がもともとばかげているわけです。上流工程が遅れたらその分カットオーバーも遅らせないといけないし、むしろ上流工程が遅れたなら下流工程にも遅延が発生する可能性が高いわけです。小学生の宿題なら「前半サボったから後半がんばろう」で済みますけど、前半も一生懸命がんばったのに「想定外の問題」や「不正確な見積もり」のために遅延が発生したなら、後半も同じことになるであろうことは、明らかですよね。
なんでそんな簡単なことができないのかというと、「お客様がそんなことは許してくれないから」です。一般企業にとって、システム開発というのは外部に委託しないと絶対に出来ないような業務ではないし、実際自社ですべてのシステムを開発するユーザー企業も多くいます。それでも多くの企業がシステム開発を外部に委託する理由最大の理由は「リスクの移転」だと思います。「効率化」「コア業務への集中」「オフバランス」など他にも理由はありますが、最大の理由は「リスクの移転」です。
結局、多くのシステム開発はカスタムメイドのプロジェクトであり、非常にリスクの高い(悪い言葉で言えばギャンブル性の高い)仕事であると言えます。ユーザー企業はそれを外部のシステム開発業者にアウトプット(システムの完成)を義務として受託させることにより、システム開発のもつリスクを業者に移転するわけです。
現在、コンピュータ業界は明らかに供給過多で、買い手市場になっています。となれば、システム開発業者はどんどん買い叩かれ、結果としてよりリスクの高いプロジェクト(より分の悪いギャンブル)に手を出さざるを得なくなるのです。
こういった事情はシステム開発に限らず、供給過多でコモディティ化が進み、単価が下がっていく業界においては、普遍的な現象でしょう。さらに鉄鋼や造船のような「モノ」と違い、「サービス」であるシステム開発は中国の好景気に乗って輸出、なんていうストーリーは期待できません。逆に中国をはじめとするアジア諸国に侵食されている状態ですよね。
そういった中で我々SEにできることは…なんでしょうねぇ。そういう単純な価格競争から外れたエリアで勝負できるような、「他のSEにはできないことができるSE」になるしかないのでしょう。
他のSEにできることすらまともにできない僕はいったいどうしたら・・・orz
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