犯罪小説と推理小説

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奥田英朗の『最悪">最悪』という小説を読みました。

最悪
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奥田 英朗
講談社 (2002/09)
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普通の人生を送る人たちが、ふとしたことから少しずつ人生が崩壊していき、やがてとんでも無い犯罪に巻き込まれていく…、という話です。精緻でリアルな描写が、登場人物の生活が音を立てて崩れていくシーンにリアルさを与えて、すごく引き込まれます。600ページ以上の分厚い本ですが、1日半で読んでしまいました。

なんか似た雰囲気の本読んだことがあるなぁ…と思ったら、思い出しました。宮部みゆきの『理由』でした。どちらも、設定や犯人探しの謎解きや、あっと驚くどんでん返しがあるわけではありません。あくまで精緻に、リアルに、犯罪に堕ちて行く人たちの暮らしが描かれています。でも、なぜか話の中にグイグイと引き込まれていってしまいます。

池上冬樹氏による解説では、この本は『犯罪小説』というカテゴリーで扱われていました。ふむl、犯罪小説ですか。殺人事件が起きて「犯人はだれだ?」となるような(英語で言うwhodunit)な小説は、『推理小説』とも『犯罪小説』呼ばれますが、この際、犯人探しを『推理小説』、この「最悪」や「理由」みたいな話を『犯罪小説』と呼び分けるといいのかも、とちょっと思いました。池上氏は『推理小説』との使い分けを意識していたわけではないでしょうが。

緻密・リアルである意味アンチクライマックスな『犯罪小説』は、一級なエンターテイメントになりうると思うし、これからどんどん流行ると思います。とりあえず、この本はお勧め。

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