科挙制度と東大卒官僚

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蒼穹の昴をやっと読み終えました。かなり読み応えのある本でした。最近、以前は読まなかった歴史小説が面白いかもです。

蒼穹の昴(1)
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浅田 次郎
講談社 (2004/10/15)
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この本には、科挙制度が大きく取り上げられています。科挙制度は清以前の中国における官僚選抜制度です。非常に厳しく、身分に関係なく試験を受けられるという意味で公平であり、かつ孔子をはじめとする(当時においても)クラシカルで非実際的な知識を要求される制度です。で、僕は本を読みながら思いました。この厳しい・公平・非実際的な試験をパスした人が官僚になるという流れは、現代の日本で東大を卒業して官僚になるのによく似ているなあ、と。

よく、官僚の問題が語られるときに、あたかも「東大卒」であることが悪いことのように語られます。言うまでも無く、東大に入るために必要な能力と官僚として国を動かす能力がイコールはありません。ただ、ならば官僚の選抜制度として他に何が考えられるかというと、今のところ誰も何も現実的なアイデアは無いわけで。ひとつ、ビジネスの世界で成功したひとを官僚に据えるという案もあると思いますが、それを制度として実現させるためには、官僚の世界にビジネス界以上の金銭的報酬や社会的ステータスが必要になるわけで、それを制度化させるのはちょっと無理だろうなあ、と。報酬やステータスが無くてもやってやる!という有志もいるでしょうが、それに期待するだけじゃ制度にはならないですしね。難しいなぁ。「小さな政府」にこそ、優秀な官僚が必要なんですよね。僕達は政治家を選ぶ制度を持っていますが、官僚を選ぶことはできません。それでも官僚が果たす役割は決して小さくなることは無いと思いますし、どんな官僚に国を動かしてもらいたいかについて、もっと考えなくてはいけないのかもしれません。たんに、「東大出の受験バカじゃダメだ」というだけではなくて。

結局この本では(そして実際の歴史でも)、古い知識しかもたない官僚たちは新しい時代に対応できず、清は欧米や日本などに食い物にされていってしまいます。現代の日本は、これからどうなるんでしょう?

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