カスタムSIというリスク(3)

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前回に引き続き、カスタムSIのリスクに関するお話。

企業独自の「特注品」システムを作るカスタムSIのリスクである、「完成品がどんなものになるのかわからないリスク」「完成品がどんな技術で作成されるのかわからないリスク」に続く、「そもそも完成するのかどうかわからないリスク」について考えています。

…って、考えるまでも無いか。「完成品がどんなものになるのかわからない」「完成品がどんな技術で作成されるのかわからない」モノが、きちんと完成することを期待するほうが無茶というもので。

このようにカスタムSIには多くの不確定要素が含まれ、その不確定要素を除去するのを待たずに投資判断を迫られ、結果として高いリスクを背負ってプロジェクトが進行していくことになります。このリスクはシステム開発会社とユーザー企業で共有されます。ただ共有するとは言っても、当然より切実なのはユーザー企業のほうです。自社の業務を支える(はずだった)システムが完成しないということは、仕事が出来ないということですからね。システム会社も人材の追加投入や費用の持ち出しなどで負担を強いられますが、本質的なダメージではありません。

そもそもシステム開発会社は、最初からある程度のリスク費用を価格に計上しています。そういった意味で、大きなシステム開発会社は有利ですよね。複数のプロジェクトで共同してリスクをヘッジできますから。例えば、同じ大きさの10個のプロジェクトがそれぞれ10%のリスクを価格につんでおけば、そのうち1つのプロジェクトが大赤字になり、想定の倍のコストがかかったとしても、他の9つのプロジェクトの保険をあわせれば穴を埋めることが出来ます。一方、小さいシステム会社が会社の全リソースを一つのプロジェクトに投入し、仮にそのプロジェクトが大赤字になったら…。その会社は致命傷を負ってしまいます。大きなシステム会社が有利なのはこういうところですね。一方、システム開発の多くが「試作品」であることから、分業・集中化・専門化という一般的な規模のメリットは比較的効きにくいと言えます。

ちょっと話題がそれましたが。とりあえず、カスタムSIは洋服や住宅のような「特注品」というよりは、どんなものが・どんな技術で出来るのか、そしてそもそも出来上がるのかもわからない「試作品」であり、特にユーザー企業にとってとてもリスクの高いものなのです。

では、どうすればいいのか?コレもまた言うまでもない結論ですが、パッケージを使いましょう、ということになります。もちろん、それなりの規模の業務パッケージであればかなりのカスタマイズが発生し、上記のようなリスクはそれなりに発生します。それでもやはり、フルスクラッチのカスタムSIに比べれば、かなり限定されたリスクになるでしょう。

自明の結論ですよね?でもなぜ企業はカスタムSIをやめられないのか?その結論は…またもや次回。次こそ終わらせるぞ~。

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