いわゆる自己啓発本というものの多くは通常ビジネス書に分類され、特にビジネスの場において役立つコミュニケーションや目標達成などのテクニックについて書かれたものが多いと思います。しかし、この本はそういった自己啓発本とは全く異なるものでした。この本では、よりよく生きるための人格とかパラダイム(われわれが世界を見るときの基準)など、よりファンダメンタルなことについて書かれています。その内容の多くはとてもシンプルなもので、「あ~、その通りにすればきっと色々うまく行くんだろうな」と直感できるもので、かつその実現を阻むものは僕ら自身の思い込み以外には何も無いことも教えてくれます。
この本は個人として高い人格を持つこと(私的成功)について書かれた前半と、他の人とよい関係を築き相乗効果を得ること(公的成功)について書かれた後半とに分かれますが、メインは明らかに前半の私的成功についての内容です。特に『刺激と反応の間に選択の自由を持つこと』や『関心の輪』の重要性について書かれた第一の習慣は、多くの人にとって知る価値があることだと思います。Responsibilityという言葉の本来の意味について書かれた部分には、本当にうんうんとうならされました。
繰り返しになりますが、この本はビジネス書ではありません。ということは、ビジネスパーソン以外にも、つまり子供にも主婦/主夫にも年配の方にも、等しく価値のある本だと思います。実際、この本には、夫婦間や親子関係の問題が多くサンプルとして取り上げられています。
僕は特に、中学生や高校生ぐらいの年齢の人たちにこそこういったことを学ばせるべきではないかと思います。僕は学校で色々なことを教えられましたが、『物事の考え方』みたいなものは全く教わりませんでした。物事の考え方というのが非常に重要なんだということすら教わりませんでした。アメリカ式にプレゼンやディベートの技術を学校で教えるべし、という意見も聞きますが、この本でも言われているように、まずは個人の人格をきっちり考えさせることが大事だと思います。また、例えば会社の新人研修でももっと使われるべき本だとも思います。
自己啓発本というとどうもウサン臭い響きが漂ってしまいますが、自分自身について、そして他の人との関係について何らかの悩みを持っている人は、ぜひ一度読んでみてください。きっと何か役に立つことがあると思います。
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